そもそも「菜ばかり」ってなに?
~食とエネルギーの地域自立を目指して~
「菜ばかり」は滋賀県東近江市旧愛東町で菜の花を通じた食とエネルギーの自立から地域資源循環型社会を目指す「菜の花エコプロジェクト」から誕生した食用油です。
「菜ばかり」に使っている菜種は東近江市内の農家さんと契約栽培を行い、栽培期間中に農薬を使用せず、遺伝子組み換えではない国産の品種を栽培しております。
「菜ばかり」の名前のとおり、ヘキサンなどの合成化学薬品、添加物は一切加えずに昔ながらの製法である圧搾方式で丁寧に搾った菜たね100%の油です。
「搾油」ででた油粕は肥料に、回収した廃食油から石鹸をつくり日々の暮らしで活用するほか、バイオディーゼル燃料(BDF)に精製し、市のコミュニティバスなどで利用し、地域のエネルギーとして還元し、そのエネルギーを使ってまた、菜の花を栽培するという循環の輪の中で「菜ばかり」をつくっています。
「菜の花エコプロジェクト」のきっかけは、昭和50年代に琵琶湖で発生した赤潮です。いわゆる「せっけん運動」が県内で一大ムーブメントとなり、旧愛東町でも廃食油を集めて粉せっけんを作って使う活動に昭和56(1981)年から取り組まれてきました。 やがて行政、大学、研究機関、住民が一体となったリサイクルプロジェクトに発展し、平成17(2005)年には活動の拠点となる“菜の花館”が完成。菜たねを乾燥する機械や収穫のためのコンバイン、搾油やディーゼル燃料のプラント、石けんの製造所などが完備され、安定的なリサイクルシステムができあがったのです。「春には田園を彩り、その種から採れる油は昔から日本の食用油としてお馴染みの味。しかも比較的栽培しやすいことが菜の花栽培に取り組んだ理由でした。かつて、どこの家庭でも食用油といえば菜たね油でしたが、田植えの時期が早まる等、様々な理由から菜たねを栽培する農家が減り、現在では菜たね油の自給率は0.1%以下と言われています。それで、安定供給が可能なカナダからの輸入油に頼るようになっているのですが、実はご家庭で一般的なサラダ油の原材料の多くに、このカナダ産の菜たねが使われています。国産の菜たね油を作ることは、食料の自給率を上げることやカナダからの輸送で発生する二酸化炭素を抑えることにもつながります。
【温湯焙煎だからクセのない味料理にもお菓子にも合う綺麗な黄色の油】
「“菜ばかり”は名ばかりではないんですよ!」
コクもあり、香ばしい香りもあり、天ぷら油でも炒めものでもひと味違うコクと風味があります。また、葉ものとの相性がいいので、
サラダなら“菜ばかり”と塩、バルサミコ酢だけで、とびきりおいしいドレッシングになりますし、オリーブオイルのようにパンにつけてもいい。乳製品が使えないという人なら焼き菓子の材料に使うと味に深みが出ます。ちなみに、一口に菜たね油といっても味はさまざま。同じ菜たねでも品種の違い、焙煎の方法、焙煎時の温度や時間の長さ、菜たねの完熟度、また、加熱しないで搾る方法もあるのだとか。そのさまざまな方法のなかでも菜の花館の焙煎法は隣のもみ殻くん炭を作るプラントの排熱を利用した温湯によるもので、これが特徴。間接的にお湯で温めながら優しく焙煎するためクセがなく、風味のある味になります。
揚げ物にも!
お菓子作りにも!